医薬品分野におけるER/ES規制の概要と実務対応
〜AI活用を踏まえた最新動向〜
概要
近年、医薬品業界では電子記録・電子署名(ER/ES)の活用が一般化し、AIやクラウドを活用したDXが急速に進展しています。
一方で、Data Integrity(DI)、監査証跡レビュー、CSV/CSA、AI利用時の説明責任など、品質保証やシステム運用の現場では新たな課題への対応が求められています。
本Webinarでは、
日本PDA製薬学会 ER/ES委員会委員長も務められた合津 文雄 氏を講師に迎え、
「医薬品分野におけるER/ES規制の概要と実務対応 〜AI活用を踏まえた最新動向〜」をテーマに、
- Data Integrity(DI)とER/ES規制の本質
- 査察で実際に問われる監査証跡レビューや電子署名対応
- CSV/CSAに基づくリスクベースの実務対応
- 生成AI・AI活用時代に求められる品質保証の考え方
などについて、規制動向と実務の両面から体系的に解説します。
さらに、FDA 21 CFR Part 11、PIC/S PI 041-1、EU GMP Annex 11、EU GMP Annex 22、EU AI Actなど最新の規制・ガイドライン動向も踏まえながら、AI活用時代におけるData Integrityと品質保証のあり方についても考察します。
ER/ES・DI・CSV/CSA対応を改めて整理したい方はもちろん、AI活用時代における品質保証のあり方を検討されている方は、ぜひこの機会にご参加ください。
登壇者プロフィール
合津 文雄(ごうつ ふみお)氏 略歴
| 1977-2013 | 塩野義製薬株式会社 臨床検査部、情報システム部 経営企画部、医薬研究開発本部、信頼性保証本部などに所属 |
| 2013-2021 | 武田テバファーマ株式会社 品質統括部 CS-QA課 |
| 2021-2023 | 日医工岐阜工場株式会社 品質管理統括部 QA部 |
| 2024- | Minaris Regenerative Medicine株式会社 |
| 2025-2026 | ミナリスアドバンストセラピーズ株式会社 品質統括部 |
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委員会等
| 2004- | 日本PDA製薬学会 ERES委員会参加 |
| 2011-2020 | 同理事、ERES委員会委員長 |
| 2015- | 一般社団法人 日本PDA製薬学会代議員 |
資格等:臨床検査技師(国家試験)/放射線取扱主任者(国家試験)/電気通信工事担任者(国家試験)/
情報処理技術者(システム監査技術者)
(国家試験)
コンピュータ化システム・オーディター
【開催概要】
| 日程 | 2026年6月26日(金)14:00~15:20 |
| 申込締切 | 2026年6月25日(木)16:00 |
| 開催形式 | Webセミナー(Zoomでの配信) |
| 参加費 | 無料 |
| 対象 |
※上記の対象以外の方もご参加いただけます。 |
| プログラム | ご挨拶:14:00~14:05 【講演要旨】 本講演では、「品質と効率性は両立可能か」という問いを軸として、ERES規制、Data Integrity、CSV/CSA、AI活用を一体的に捉えながら、医薬品業界における電子化とAI時代の品質保証のあり方について体系的に解説する。 第1部では、近年の査察の変化を踏まえ、DIが単なるシステム問題ではなく、組織文化・マネジメント・運用品質まで含めて評価される時代へ移行していることを整理する。さらに、規制対応の強化によって生じる「効率低下」「レビュー負荷増大」といった現場の実態を共有し、本講演全体のテーマである「品質と効率の両立」の必要性を提示する。 第2部では、ERESおよびData Integrityの本質を解説する。FDA 21 CFR Part 11、ERES 2003 Guidance、PIC/S PI 041-1、EU GMP Annex 11などを俯瞰しながら、ALCOA+に代表されるDI原則が現在でも不変の基盤であることを再確認する。また、2003年FDAガイダンスにおける“enforcement discretion”やリスクベースアプローチへの転換が、後のCSA概念へどのようにつながったかについても考察する。 第3部では、査察で実際に問われる実務対応に焦点を当てる。監査証跡レビュー、電子署名、変更管理、Impact Assessmentなどについて、「本当に査察で見られているポイント」を中心に解説し、形式的運用ではなく、“意味のあるレビュー”を実施できているかが重要であることを示す。また、CSA(Computer Software Assurance)の考え方を踏まえ、過剰文書化ではなく、リスクに基づく合理的な保証活動への転換について具体的に説明する。 第4部では、システムライフサイクル管理と継続的DI維持について論じる。システム導入時だけでなく、運用、変更、バックアップ、クラウド利用、データ移行、廃止までを含めたライフサイクル全体でDIを維持することの重要性を解説する。特に、「壊れない設計」「ワークアラウンドの確保」「利用可能性(Availability)」といった視点を通じて、単なるシステム導入ではなく、継続的に信頼性を維持できる設計思想の重要性を考察する。 第5部では、AI技術の発展と医薬品分野への応用について取り上げる。人工ニューラルネットワーク(ANN)の歴史、Transformer、Attention機構、生成AIの発展経緯を平易に整理した上で、AIが医薬品業界にもたらす価値とリスクを解説する。異常検知、予兆解析、監査証跡レビュー支援などの実用例を紹介するとともに、ブラックボックス性、バイアス、説明可能性(XAI)、モデル管理などの課題にも触れる。さらに、EU GMP Annex 22やEU AI Actなど最新規制動向を踏まえ、「AIも制御対象であり、CSV/CSAの枠組みの中で管理されるべき存在」であることを示す。 第6部では、「AI × ERES × DI」の統合モデルを提示する。AIが効率性を生み、ERESが統制を担い、DIが信頼性を保証するという構造を示し、最終的な意思決定には人間の関与が不可欠であることを強調する。また、成功条件として、①リスクベースアプローチ、②ライフサイクル管理、③組織文化の3要素を提示し、特に「DIは文化である」という視点から、継続的改善と品質文化の成熟の重要性を論じる。 第7部では、経営・組織レベルでの示唆を整理する。すべてのリスクをゼロにはできない現実を踏まえ、どのリスクを受容し、どこへ優先的に投資するかという「経営判断」の重要性を解説する。そして、最終的には「DI文化の成熟こそが、品質と効率性を両立させ、組織競争力につながる」という本講演の結論を提示する。 本講演は、品質保証、品質管理、製造、IT、CSV担当者のみならず、AI導入、DX推進、組織改革に関わる管理者・経営層に対しても、今後の医薬品業界におけるデジタル品質保証の方向性を考えるための実践的示唆を提供する。 第三部:15:10~16:20 |