【コラム】アガサ連続講義:GMPの遠近法 第2講
GMPにおける文書管理の論点

アガサ連続講義 GMPの遠近法 第2講


GMPにおける文書管理の論点

 

 

はじめに

文書化、より広い意味合いとして文書管理はGMPのみならず、GXPs全般にわたって必要な品質確保のための重要な要件であり、前回の<GMPの遠近法>第1講で述べたISO9001を基盤とする品質システムが前提とする基本要件である。新入社員の方などが文書管理と聞いて文書整理だと勘違いされることがあり、また、文書管理を文書の保管管理に限定して捉えられることがあるが、本講でいう文書管理とは、文書を作成し、改訂し、承認し、さらに配布と保管を行うプロセスである。文書管理はドキュメンテーション(Documentation)と言われることもある。
本講では、文書管理の要点をSOP(Standard Operational Procedures、作業標準書あるいは手順書)と製造記録や試験検査記録等の作業記録の2点から考察する。さらに、文書管理の運用が呪縛する課題を「文書管理の呪い」という観点から考察し、「呪い」に打ち勝ち、ブルシットジョブ化を打破する方策を探る。

 

 

執筆者プロフィール

小山 靖人 氏 略歴
小山ファーマコンサルティング 代表

1979年 京都大学大学院薬学研究科(修士)修了
同年   藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製薬株式会社)に入社
製剤研究所主席研究員として注射製剤の製剤化研究とGMP及び治験薬GMPに係る製造管理業務に従事、
治験薬製造管理責任者
2003年 日本イーライリリー株式会社に入社、開発QA/QC管理室長、
治験薬品質管理者
2007年 塩野義製薬株式会社に入社
金ケ崎工場(岩手県)の品質部門長を経て、サプライチェーンマネジメント統括部グループ長、
ならびに本社部門(信頼性保証本部)の品質保証部次長を歴任
2019年 シオノギファーマ株式会社品質保証部勤務 特任次長(2020年 退職)
2019年 小山ファーマコンサルティングを起業

2003~2006年 厚生労働科学研究「医薬品・医薬部外品製剤GMP指針」を座長として取りまとめ、
厚生労働省より発出
2010~2011年 厚生労働省の「PIC/Sガイドライン比較分析ワーキングチーム」に参加
2016~2020年 厚生労働行政推進調査事業「GDP国際整合化研究班」に参加
2010年~現在 厚生労働省「医薬品医療機器の品質確保に関する研修」(国立保健医療科学院)講師
日本薬剤学会「製剤の達人」受賞(2011年)
薬剤師 日本PDA製薬学会代議員
特定非営利活動法人医薬品・食品品質保証支援センター(NPO-QAセンター)顧問

現在、GMPとGDPに関する執筆と講演に加え、オープンセミナーを数社で開催、また企業様の社内研修をお引受けしています。

 

<コラム アジェンダ>

1.はじめに
2.SOPと作業記録 ~文書管理の基本
  2-1. SOP体系 ~PQS構築のための根幹となるシステムの1つ
  2-2. 品質マニュアル ~製造所におけるPQSのあり方を示す文書
  2-3. SOPは日本の文化にそぐわない?
  2-4. 作業記録 ~作業行為の正しさを証明できる唯一の方法
  2-5. 記録の同時性原則 ~当然のはずではあるが要注意!
3.文書管理の呪い ~文書作成が忙しくてGMPができない!?
4.文書管理はブルシットジョブか? ~「呪い」に打ち勝ち、ブルシットジョブ化を打破しよう!
5.文書管理とSOP遵守に関する過去の経験から ~米国での驚きとカルチャーショック
6.おわりに

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